今週、来週と新人研修で聴覚障碍者についての

勉強を行っているのですが、本日は主に

 

①耳の仕組み

②補聴器・人工内耳について

 
の2点を学びました。担当してくださった先生が
 
「健聴者でも、聴覚障碍のことを知っておくことは重要。
なぜなら、人間の耳は20歳を超えたあたりから
だんだん衰えていくのだから。健聴者でも高齢になったため
補聴器が必要になった方はたくさんいます」
 
といった趣旨の発言をされていたのには、
「あ~、なるほどな~」と思いました。
また、本日学んだ内容で一番興味深かったのが
 
難聴者は、「耳が聞こえないから、補聴器をつければ
健聴者と同じ」とうわけではない。補聴器をつけても、
やはりカバーされない部分も少なからずある
 
ということです。例えば、以下のようなものがあります。
 
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①多くの人が話している中で、
  特定の音をききとるのが難しい場合がある。
②健聴者の中には、難聴者に「大きな声で話せば聞こえる」
  「ゆっくり話せば理解できる」と勘違いしている人もいる。
  (筆談だと伝わる可能性が高い)
③聴覚障碍者にも「うるさい」という感覚はある。
      a. リクルートメント現象
          =小さい音は聞こえないけど、大きな音はうるさく感じる。
      b. 特に机や壁を強くたたく音はうるさく聞こえる場合がある。
     (明治安田生命グループより)
④難聴が理由でメンタル的な問題を抱えることもある。
  a. 自身の難聴を否定したくなる。
  b. 自分がうまくコミュニケーションを取れないことで、
    相手に対して「申し訳ない」と感じるようになる。
  c. 孤立感。
⑤日本語の発音がきれいだからといって、しっかり聞こえていると  は限らない。
      → 幼い時は聞こえていたが、
     年齢と共に聞こえなくなった場合は、
          発音はきれいだが、聞き取りづらいという場合もある。
⑥オレオレ詐欺の被害にあいやすい。
  a.難聴者によっては、声色を聞き分けるのが
   難しい場合もある。
  b. 声を聞いて自分の「想像」「思い込み」で話を進めてしまう。 
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一言でまとめるなら
 
重要なのは、「難聴者への正しい理解」
 
だということだと思います。「親切な心」「支援したいという気持ち」
も重要ですが、正しい知識がないと支援が難しいということです。
例えば、
 
>②健聴者の中には「大きな声で話せば聞こえる」
>    「ゆっくり話せば理解できる」と勘違いしている人もいる。
 
を取り上げますと、
 
「親切な心」から
補聴器を付けている方に、ゆっくり大きな声で話した
 
というケースはよくあると思うのですが、
もしかしますと、これではあまり支援できていないケースも
あるそうです。
 
そのため、相手が分からない様子なら「筆談」が良い
 
ということでした。最近では、メモとペンを常に持ち歩かないでも
携帯電話でいくらでもできますからね。
難聴者のお手伝いをされたい場合は、
まずは携帯電話を取り出すのが良いかもしれません。
 
こういった基礎的な知識を周りの人が持っておくことで
難聴者はより良い生活が送れると思います!
 
日本補聴器工業会によりますと、
現在の日本での難聴者の数は(自己申告で)
11.3% (約1430万人)
 
だそうです。おそらく、ここでいう「難聴者」は
「聞こえにくい~全く聞こえない」といった
幅広いものだと思うのですが、
それでも、国民の10人に1人が難聴なのですから、
本当、他人事ではないと思います。
 
難聴について、まだまだ素人の私が
偉そうに言うのもおかしいと思いますが、
 
(私も含め)みんなが難聴の正しい理解をすることが、
この世界をよりよいものに変える
 
と思います。みなさんもぜひ覚えておいてください。