さてさて今回は前回の続きで
Calexpoさんからいただいたコメントを
少しずつ説明していきますね。
>買ったばかりでレビューするのもあれだけど、
>どうしても書かなければならないこともある。
>この本のトレーニングでは、
>日本語訳を英語の語順に並べ替えて
>英訳させる方法を採っている。
>そのほうが日本語をそのまま英語に
>置き換えられるのでやりやすいだろうという
>配慮をしているつもりなのだと思う。
ここまでは前回説明した通りですね。
そもそも「日本語が英語の語順」になっているのは
「日本語をそのまま英語に置き換えれば
文が完成するから」というのが目的ではなく
「英語の考え方に慣れてもらうため」です。
>このため、本来の日本語訳は日本語文節に
>切り刻まれて並び替えられている。たとえばこんな感じ。
>P722 「4.彼女・賢い・私より・【だから】
>あなた・聞くべき・彼女に・【もし】 あなた・必要なら・助けが」
>She is smarter than me,
>so you should ask her if you need help.
p.722ですと、かなり後半のページですね。
本当に最後の方の練習。ガチトレには
合計4170問の問題があることを以前確認しましたので、
(問題数に間違いがありましたら申し訳ございません)
この練習にたどり着く頃には
最低でも4000問はこなしていることになると思います。
しかも、まともに練習を行っていれば
本に書いてある「日本語を見て英語にする練習」だけでなく、
同じ問題を「CDを使って答える」
ということもしているため、最低でも8000問は
解いていることになります。しかも、音声は18時間近く。
これだけ英語を練習しているわけですから
ガチトレの練習にも慣れ、
相当な英語力が身についていると思います。
また、本の最初から以下のような
問題をするわけではありません。
>P722 「4.彼女・賢い・私より・【だから】
>あなた・聞くべき・彼女に・【もし】 あなた・必要なら・助けが」
>She is smarter than me,
>so you should ask her if you need help.
最初の練習では、それこそ単語1~2個からスタートしています。
そこから徐々に数を増やしていき、最終的に
このレベルまで持っていくのです。
いきなり「このレベルの問題をやれ」といったら
それは不可能でしょう。しかし、ここまでに
何十時間と英語の勉強に取り組んでいるのであれば
話は別。しかも、音声で使われている問題は、
その直前の「問題を見て解く練習」で
登場している文と全く同じです。つまり、
最低でも1度は目にしている問題ということになります。
「もうすでに何十時間も英語を勉強している。
さらに直前にやった文と同じ文」
ということを考慮すれば、
一見かなり難易度が高そうに見える問題でも
解くのは不可能ではないと思います。
>切り刻まれた日本語の文節が3つ4つくらまでなら、
>元の日本語の意味を想像できるし、
>日本語文節のパーツも頭で保持できると思う。
>そして、理解できた元の日本語文の
>内容意味と文節パーツを使って瞬間的に
>英語に直すこともできると思う。
>しかし、この例のように、文節のパーツの数が11個にもなると、
>これをCDでサッと話されたときに、
>まずすべてのパーツを頭で保持できないし、
>元の日本語を想定できなかったりする。
>すなわち、日本語を英語の語順に
>並び替えて提示してあげれば、
>あとはその順に英語に置き換えるだけで、
>学習者を手助けできるとする意図は破綻しているか、
>企画倒れになって目的を達し得ていない。
>まず、???が浮かび、
>その次にバラバラにされた日本語パーツを
>なんとか頭でつなぎ直して、
>元の日本語を想像・構築し直す作業が
>自然に学習者の頭の中で行われる。
>なぜなら、そうしないと、
>どういう日本語を英語にしようとしているのか
>学習者には意味不明だからだ。
>だが、元の日本語がどういう文なのかわかった時点で、
>すでに話された日本語文節パーツは音声が終わっており、
>学習者の記憶もおぼろげであるから、
>英語に直すどころの話ではなくなる。
>バラバラな文節が10ピースを超えると
>実に復元作業は困難だ。
これは前回説明した、この本のコンセプトとして
「なるべく日本語では考えない」
ということを考えています。また、先ほど説明した
「何十時間も練習をしている。
また本に載っている問題と全く同じ」
ということを考慮すれば不可能ではないと思います。
そもそも、Calexpoさんは本を購入されたばかり。
おそらく練習も、まともにはこなしてはいないでしょう。
「できる・できない」といった判断は、
ご自分の推測や思い込みだけでされているのだと思います。
実際に最初から練習を行っていき、
十何時間も英語の練習をした上でのコメントなら
私も納得できるのですが・・・少し残念です。
>上の例で補足するなら「彼女」はせめて
>「彼女は」と助詞を添えてくれると
>主語であることを理解して英語に
>直しやすいと思う(なぜかI think については
>「私は思う」まで書かれているのに…
>この不統一は配慮不足か?)。
「彼女」となっているのは、文の最初に登場する
主語の場合のみです。基本的に英語の文の場合、
文の最初(主語)に代名詞がくれば、
その代名詞は「主格(I/He/Theyなど)」か
「所有格(My/His/Theirなど)」になる可能性が
かなり高いです(「目的格(Me/Him/Themなど)や
「所有代名詞(Mine/His/Theirsなど)」では、
ほとんど文を始めませんから)。
そのため、代名詞が文の最初に登場する場合は
「主格」か「所有格」なのかが分かれば
ほとんど何も問題はないということになります。
実際、この本では
「私=I (主格)」
「私の○○= My ○○(所有格)」
というように分けてあるため、
あえて「私は」と助詞を入れる必要はないと判断しました。
ただし「私は思う」が登場する文は、
「I think+別の文」の形となっているため、
「私・思う・彼女・~」とするより
「私は思う・彼女」とした方が親切だと思い、
そういう形になっています。「私は思う」の形は
「I think + 文」と文が2つ入るような形なので特別。
そういったニュアンスも出すために
あえて違いを出しているのですが・・・
Calexpoさんは、「この不統一は配慮不足か?」と述べています。
このような違いにすら気づかないとは・・・
この本を読まれていないのは、
それなのになぜここまで批判できるのでしょう・・・
かなり不思議です。
Calexpoさんとは、おそらく個人的に面識もないと思いますので
恨みを買うこともないと思います。そして、私の本をまともに
読まれていない・・・それなのにも関わらず、
これだけ批判をされるというのは
やはり「ガチトレ批判」の目的は「自己肯定」や
「ストレス解消」ということなのでしょう。
「本を世の中に出すというのは、
こういう批判の標的にもなる」ということでもあるのですね。
勉強になります。
>また「聞くべき」は、意味がわからなければlisten(聞く)を
>瞬間的に想起するかも知れない。
このことは私も考えました。
「どうしたら混乱を防げるか?」と。
そこで、たどり着いた結論が
「もうすでに練習で取り上げた文を使う」
「2回以上練習してもらう」というものでした。
もし、もうすでに練習で登場している文を使えば
読者さんも「聞く」という単語が出てきた際、
ask なのか listen なのかは、想像もできます。
また、練習も1回やったらおしまいというものではなく
何回も行ってもらえれば、どちらを使っているのか
すぐに判断できるようになるはず・・・と考えました。
実際、本のどこにも
「1回しか音声を使った練習は行ってはいけません」
とは書いてありません。また、
「音声ファイルは一度再生すると自然に消滅する」といった
どこかのスパイ映画のようなことも起きません(笑)
繰り返し音声を再生し、文を覚えてしまうぐらい
練習を行っていただければと思います。
>こんな感じだから、上の例も、
>「彼女は 賢い 私より」を練習させた上で、
>「だから あなたは 問うべき 彼女に」を加える形で練習させ、
>その上に「【もし】 あなた 必要なら 助けが」を
>足して全体を3段階でトレーニングさせる
>方法を採るなら上手く行くのかも知れない。
これも先に述べた通りですね。
繰り返すようですが、
「英語が苦手でガチトレで練習を始めたばかりの方に
いきなりこのような問題をしてください」
といったら不可能でしょうが、もうすでに
十何時間と英語の勉強をし、更にこの練習の
直前でどのような問題が出るかも知っている方なら
そこまでハードルの高い問題ではないはずです。
このようなコメントが出るということは
「私は練習を全く行っていません」と言っているのと
同じのような気がしますね。
>本が想定する学習者を初級~中級者(出版社HP)とすると、
>復元された英語の話す速度は速く、
>初学者に向かって聞かせるには酷だと思う。
>日本語も保持把握できず、
>すぐに速い英語が完成形で飛んでくる。
>本の意図や方法論はそれとしても、あまりに使いづらい。
仰る通り、本が想定する学習者は初級~中級者です。
しかし、なぜこのように設定してあるかと言いますと、
この「中級者と上級者」の線引きが非常に抽象的だからです。
私が思うに「上級者のトップ=英語ネイティブ並み」です。
しかし、ガチトレで登場する文法は中学で学ぶ物ばかり。
更に言えば、中学で学ぶ範囲すら全部カバーされておりません。
それなのに、「上級者」としてしまうのは
明らかに間違っていると私は考えました。
また、「音声の速度が速すぎる」といった
ご指摘もいただいておりますが、
最近のMP3プレイヤーや音楽再生ソフトには、
多くの場合、
音声速度を速めたり遅めたりする機能がついています。
Windows のパソコンであれば、Windows Media Player には
音声速度を調整できる機能がついています。
また、そのようなソフトがないのであれば
無料ソフトをダウンロードすることも可能です。
(http://freesoft-100.com/pasokon/player-music.html)
「もし音声が速いと思うのであれば遅くすればよい」
ただそれだけのお話です。
「ガチトレの本に書かれている通りのことしかしてはいけない」
という法律もルールもどこにもないのですから(笑)
少し考えれば、分かることだと思うのですが・・・
冷静さを失っていたのかもしれませんね。
とまあ、いろいろと書いてしまいましたが
こんな感じですかね。
また、長くなってしまいました・・・。
ここまで読んでくださった方々。
本当にありがとうございます m(_ _)m