先日、中学生のお子さんを持つお母さんから
英語学習に関する相談を受けました。
相談内容は、
子供が英語を嫌いになりそうなのですが、
どうしたら良いでしょうか?
というものでした。なるほど。
これは非常に難しい質問ですね。
正直、お子さんの性格や家庭環境などを
しっかり把握しないと
答えられない質問ではあると思います。
しかし、同じ悩みをお持ちな親御さんは
他にもたくさんいらっしゃると思いますので
私なりの答えをここに書かせていただこうと思います。
まず根本的に、年齢など関係なく、
「勉強を継続して行う」のにおいて最も重要なのは
モチベーションの維持
だと私は考えています。例えば、社会人であれば
「勉強をすることで給料が上がる・昇進に繋がる」と
分かっていれば勉強をする気になるでしょう。
また「英語を勉強することで海外旅行が楽しくなる」と
お考えなら、高いお金を払ってでも
英会話学校に通うという方もいらっしゃると思います。
そのため、モチベーションを維持させることが
学習において最も重要なことだと思うのですが
「子供」の場合、
どうやって勉強のモチベーションを
維持させるのがよいのでしょう?
ちなみにですが、
よく「何かをすることによって何かを与える」といった
“ご褒美”作戦は、ご褒美目的になってしまうため、
あまり良くないと言われますが、
私は「やり方次第」だと思っています。
実際、最近話題になっております、
中室牧子氏による「学力の経済学」
「学力」の経済学
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という本では「テストの結果などの“アウトプット”に
ご褒美を与えるのではなく
本を読むなどの“インプット”にご褒美を与えれば
勉強の楽しさを見失うことはない」
といったことが書かれています。
つまり考えないといけないのは
「ご褒美はあげてもよいか?」ではなく、
「どうあげるか?」
ということになります。
ご褒美作戦は悪い考えではないのですが・・・
私は違ったやり方をここでは紹介したいと思います。
私が思うにお子さんの勉強に対するモチベーションを
維持させるのに重要なのは以下の3つだと思います。
(1) 家族と一緒にリビングで勉強する。
(2) ゲーム感覚で楽しむ。
(3) 達成感が得られる。
この3つを行うことができればお子さんの
モチベーションは維持できると思います。
それでは、詳しくお話をしていきましょう。
親と一緒に頑張れる(学べる)
リビングで主に勉強している子が66%だったそうです。
実際に開成高校に進んだ私の知り合いの息子さんは
「常にリビングで勉強をし、
宿題などはお母さんと競争して解いていた。数学などの
問題はスピードだけでなく、解答集をチェックする前に、
答えをお互い見せあってどっちの方が効率良く解けたか、
また答えが違う場合は、どっちが正しいと思うかなどを
議論したりもした」といっていました。
また「うちには小さなホワイトボードがある。
子供には、これを使って学校や塾で
学んだことをお母さんに指導させていた。
怪しいところは、しっかりツッコんで復習させていた」という
お話もありましたね。
ちなみにこの「他者に教える」というのは、
教育学の世界ではよく言われる学習方法です。
Learning Pyramid というちょっとした表があるのですが
これには「どうしたら学習した内容が定着するか?」と
ことがピラミッド状に書かれています。
注目していただきたいポイントは、一番下。
「他者に教えることができれば、90%は定着している」と
いうところです。違う言葉で言えば、
「学んだことを誰かに教える」というのは
一見時間の無駄のように感じますが、
自分の理解を確認する
実際、学校で最近話題になっているアクティブラーニングでも
ペアワーク、グループワークを通じて
「他者に教える」という課題もあったりします。
それ以外でも「親と一緒に勉強しているお子さんは
優秀な子が多い」といった印象があります。
親御さんが近くにいるためお子さんは
安心できるというのもあるでしょう。
また「自分一人で頑張っているわけではない」
という気持ちになったり
「両親への感謝の気持ち」を覚えたりもしますね。
(開成中学に合格したある男の子は、
合格直後のインタビューで「まずは両親に感謝したい」と
答えていましたね)。また、競争などの要素を取り入れることで
「ゲーム感覚」で勉強に取り組めます。
そして、親御さんとしても「子供の弱点や苦手な点が
その場で、すぐに把握できる」という利点もあります。
そのため、
親御さんと楽しくゲーム感覚で学べて、
ゲームに勝つことで自分の自信につなげる
というアプローチはけっこう効率がよいと
私は考えています。
例えば問題集を1冊購入し、
1.文法事項などの説明をチェック。自習。
2. 文法をチェックしたら、問題の部分をコピーし、
よーいどんで競争。
3.お互い終わったら答えを確認。
お子さんには何でそうなったのか理由を説明してもらう。
4.自分と答えが違う場合、自分の答えを見せる。
自分の答えを説明。
5.解答チェック(お子さんが間違えた時は
「難しかったね」といったフォローを入れたり、
正解だった時は「すごいね!」と褒めることを忘れずに。)
6. 次の単元。
といった流れで行うのは良いと思います。
また「達成感を得てもらう」という意味では、
英検などの問題集はお勧めです。
英語の場合「モチベーションを維持させる」ということを
考えると、
その喜びが達成感になる」ということもできますが
日本では、
そのため「試験などで自分の能力が認められた」と
思ってもらうのが日本では効率のよい
「達成感を得る方法」だと私は思います。
英検の場合、合格することで自信につながるだけでなく、
もし英検1級まで行けば大学受験に有利になったり
大学入学時に英語の単位が認定されたりしますので
そういう意味でもやる価値はあるでしょう。
実際、私が以前家庭教師をしていた家族では
兄妹で英検を取り合っていたのですが
お兄さんは東北大、
妹さんは海外の大学に留学しています。
また、私が去年行ったTOEICの公開講座では
お父さんと娘さん(高校2年生)が
TOEICの点数を競っていましたが
最終日に行った模擬試験では、お二方とも
確か700点を超えていましたね。
やはり身近に良き仲間でありライバルがいると
気持ちも違ってくるのだと思います。
「よい塾に入れれば安泰」というわけではないのが
今の日本だと思います。塾もビジネス。
教えている先生が指導歴の浅い大学生であったり、
教科書も流行りということだけで選ばれものを使っていたりと、
自分の子供には合わない塾は山のようにあります。
親御さんが、お子さんの教育に
いちいち干渉するのは
完全に他人任せというのも
長くなってしまいましたが、以上が私の考える
教育方法です。もしよかったら試してみてください!
そして、結果をぜひ教えていただけると幸いです。
よろしくお願いいたします m(__)m