ニュースを見ていましたら

 

「歴史に学ぶぐらいならワンピースを」

日本史学者・呉座勇一の警告

 

といった、面白いタイトルの記事があったので読んでみることに。

ふむふむ。なるほど。日本史学者の呉座勇一氏は
歴史について学習する際、歴史『を』学ぶべきであって、
歴史『に』学ぶのは危険といったことを発言されています。
(詳しくはwithnewsこちらの記事をごらんください)

原文を読んでいただくのがベストなのですが
この記事を(私なりに)簡単にまとめますと

 

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1.歴史は「たまたま上手くいった」というような

  「結果論」のことも多い。そのため、

  彼らは未来を完全に見通して策略や陰謀を

  図ったわけではない。

 

2.また俗説を『歴史的事実』と誤解し、失敗することもある。
  (例)太平洋戦争で日本軍は奇襲攻撃を多用したが
     この背景の一つに源義経が一ノ谷の戦いで見せた

     『鵯越の逆落とし』(断崖絶壁を馬で駆け下り、

     敵陣の背後を奇襲した)というののがある。
     しかし、これは平家物語の創作であり、

     事実ではないと言われている。実際、太平洋戦争での

     日本軍の奇襲攻撃は連戦連敗。

     このように歴史「に」学ぶと大やけどをすることもある。

 

3.よく『信長のようなビジョンを持て』というビジネス書があるが、
  ビジョンを持てばうまくいくというものでもない。

4.ビジョンを持つことも重要だが、

  自分が持っていたビジョンが外れた時、
  どのように軌道修正するのかの方が大切。

 

5.『鵯越の逆落とし』みたく、ドラマのような「物語」を求めるなら
  ワンピースやスラムダンクなどを読むべき。
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といったものでした。

この考え方には、興味深かったですね~。
私みたいな歴史学素人の人間には
「歴史上あったことを参考に

(歴史『に』学んで)ビジョンを持つのは危険」

という発想はなかったので非常に新鮮でした。

確かにそうですよね。なんせ、歴史は

まだ完全に解明されていない点も多いため

俗説もあるわけですから。

例えば、有名な「長篠の戦い」。

おそらく学校で学ぶのは

 

①織田・徳川の連合軍 vs. 武田軍

②織田・徳川軍が勝利。

③織田・徳川軍は、騎馬隊を得意とする武田軍を

 「馬防柵」と「弾込め・構え・発射」の3段撃ちの鉄砲隊で

 攻略したのが有名。

 

といったものだと思うのですが、

歴史プラス東洋経済によりますと

 

実は、資料が少ないため真実は分かっておらず、

3段撃ちも実際にあったのか不明。

また、武田軍も下馬して戦ったという資料もある

 

ということでした。こうなりますと、何を信じたらよいのか・・・

「歴史の多くが脚色されている」と考えてしまいますと、

事実と異なるわけですから、何も参考にならないですよね。

それこそ「ワンピース」や「スラムダンク」と

変わらなくなってしまいます(苦笑)

 

また、

重要なのは「ビジョンが外れた時に
どのように軌道修正するのか?」ということ

というのも、まさにその通りだと思いますね。

未来を予測することは誰にもできません。

たとえ用意周到であり、自分では「完璧」と思っていても

不測の事態により大きな失敗をしてしまうことだってあります。そのため、

 

自分のビジョンを過信するのではなく、

常に最悪のケースを想定しながら
「仮にそれが起きた時は、何をするべきか?」という
シュミレーションを行っておくのは重要

 

かと思います。そう考えますと、

 

歴史の「成功談」を基にビジョンを描く=✕

歴史の「失敗談」を基に最悪のシナリオを想定する=〇

 

という気もします。これも良くないのかな?
呉座先生にぜひ伺いたいところです。