どうも~。藤井です。

つい先日、『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)

という番組で林修先生が

「英語ができる人は早期英語教育に否定的。

やらせたがる人は英語ができない人」という発言を

されていたそうです。この件に関して、個人的には

「う~ん・・・そうなのか~・・・

“早期英語教育”という言葉の定義

(いつが“早期”なのか?

また、何を持って“教育”なのかなど)が

難しいところだけど、個人的には、

あまり反対ではないかな」と

思っていた矢先に寺沢拓敬先生(関西学院大学)から

 

林先生「英語できない人ほど早期英語に賛成」

――これは研究結果と違う

 

といったタイトルの記事が

出ていたので紹介させていただきます。

 

一通り読ませていただいたのですが・・・

正直なお話、今回は林先生の意見より、

寺沢先生の意見に私は賛成ですかね。

まあ、林先生は『子どもに早期英語教育をやらせている

東大出身の親に会ったことがない』という話を

されていたようなのですが

「東大≠何においても優秀」と私は考えています。

更に言えば「東大出身だからといって

英語が得意なのか?」といったら

必ずしも、そういうわけではないと

個人的には考えています。

 

参考程度にちょっとしたお話を。

「英語力を図る物差し=TOEIC」というのは、

あまり乱暴で好きではないのですが、

参考程度に調べてみましたら

2004年と古いですが)

東大生のTOEICの平均点は737.1点だそうです。

 

まあ、現在もおそらくそこまでは

変わっていないと個人的には思っており、

おそらく高くて780点ぐらいだろうと考えています。

では、780点でいったい何ができるのか?

「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会

日本でTOEICを実施している団体)」の

サイトには点数によるCanDo

(この点数なら何ができるというリスト) が

載っていて「できる」「何とかできる」「できない」に

分かれているのですが、700 – 795 ですと、

以下のことができるみたいです

(メインとなる項目だけを選びました。更なる

データは上記のサイトからご覧ください)。

 

「できる」

1.会議の議事項目(アジェンダ)を読んで理解できる。

2. コピー機等の一般的なオフィス機器のマニュアルを読み、

   使い方に関する指示・説明を理解することができる。

3. 電話帳で必要な情報(人や会社など)を探すことができる。
4. 自分の業務・専門に関する文書(レポート等)を読んで

   理解す  ることができる。

5. 会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。 

6. 会議・講演のレジュメ(要約)プレゼンテーション用の配布資料等

   を読んで理解できる。

7. 自社への就職を希望する人の履歴書を読んで、

   その内容を理解できる。

8. 取引先や顧客からのクレームレターを読んで

   理解することがで   きる。

 

「何とかできる」

1. 同業他社のアニュアルレポートを読んで理解できる。 

2. 英語で書かれたインターネットのページから、

   必要な情報・資料を探し収集できる。

3. 自社製品の販売に関する契約書類を、読んで理解できる。 

4.  「Time」や「Newsweek」といった雑誌の記事を

  読んで内容を理解することができる。

5. 自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。

 

「できない」

なし

 

なるほど!けっこうレベルが高いじゃないか!と

思ったのですがこの「できる」「何とかできる」といった表現が

ちょっと微妙ですよね・・・

どれくらいの人ができると言っているのか

わからないし・・・もっと良いデータがないものなのか・・・

と調べていましたら、アメリカのETS(TOEICやTOEFLといった

教育テストを作成している団体)が

出しているデータが見つかりました。こちらは、

英語で書かれていて、日本人(7,292人)と韓国人(3,626人)

を対象としたアンケ―トのようなのですが

「何%ができると答えているか」

が表示されていますので、より分かり易いかと思います。

こちらによりますと、リスニング(0-495点満点)と

リーディング(0-495点満点)に

分かれているので、より信憑性があるかと

(国際ビジネスコミュニケーション協会の

サイトですと、そこも分かれていないので

何とも言えない部分がありましたが)。

レンジはちょっと微妙なのですが

「380-435」(全体で「760 – 870」)で見てみますと・・・

(解説は藤井のざっくりした和訳で。

誤訳もあると思いますので原文を読まれたい場合は

ハイパーリンクのサイトでご確認ください)

 

「リスニング」

1. 言われた会議の時間と場所が理解できる (80%)

2.電話で相手の名前を聞き取ることができる (69%)

3. 販売員が言っている異なる商品の値段が理解できる (77%)

. 話者が自分のバックグラウンド、家族、興味のあることを

 話していて理解できる (66%)

4. テレビなどの報道が理解できる (54%)

5. 自分の仕事に関するルーティンの説明を理解できる (52%)

6. 同僚のための電話のメッセージを受けることができる (55%)

7. ラジオでのスポーツ解説を理解できる (29%)

8. 仕事で出てきたシンプルな問題を

  同僚が議論しているのを理解できる (43%)

9. ラジオやテレビで報道されているメインの部分を

  理解できる (33%)

10. ラジオで流れる「なぜ一時的に通行止めなのか」といった

   説明を理解できる (37%)

11. 自分が参加した会議の結論に達した論法と理由を

    理解できる (34%)

12. 仕事場の何人かによるディスカッションを理解できる(25%)

 

「リーディング」

1. ツアーガイドなどのエンターテイメントの情報を

  読むことができる (72%)

2. 広告など商品の情報を読むことができる(68%)

3. 旅行パンフレットを読むことができる(68%)

4. 会議の協議事項が理解できる(62%)

5. 自分が知っている学術・専門的なジャーナルを読み

 メインポイントを理解できる(53%)

6. 仕事に関する手紙などを自分の言語に訳せる(50%)

7. 人気のある小説を理解できる(43%)

8. 自分の領域に係る高度な専門的なものを

  あまり辞書を使用せずに理解できる(40%)

9. 社説を読み、意味と執筆者の意図を理解できる(35%)

10. 「タイム」や「ニュースウィーク」を辞書を使わず

  読むことができる(30%)

 

う~ん・・・なんか、ずいぶんと印象が違いますね~。

例えば、国際ビジネス協会では「なんとかできる」に

 

>  「Time」や「Newsweek」といった雑誌の記事を

> 読んで内容を理解することができる。

 

が入っていたのですが、ETSの資料では

30%しか「できる」とは言っていないみたいですね

(まあ「辞書を使わないで」が大きいのかもしれませんが)。

 

また、例えば、60%の人ができると答えていたら

「全体で “できる” と言っていいのか?」といった

疑問も出てきます。微妙なところだと思います。

変な話、多くの日本の大学では

成績で(100点中)60点未満は「不可」ですからね(笑)

そう考えますと、60%未満の項目は「できない」

と考えていくと・・・「TOEIC 780点=英語ができる」という

考えには至らないような気がします・・・。

さらに、もし東大生のTOEICの点数の平均点が

740点のままでしたら、更に低い%になりますので・・・

どうなのでしょう。