【書評】くもんの中学英文法― 中学1-3年 基礎から受験まで(スーパーステップ)
個人的な評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆(2/10)
≪本の紹介(Amazon より)≫
基礎から受験まで、中学で習う英文法すべてが、
きめ細かいステップで学習できる参考書。
「”表現力”と”読解力”をつけるための文法」という観点で構成。
文法事項をただ羅列するのではなく、
英語の表現が豊かになってゆく流れにそって、
文法のステップを配列しているため、楽しみながら学習でき、
その中で試験などに必要な知識もしっかり身につけられる。
(Amazon カスタマーレビューはこちら)
≪感想≫
中学英語の参考書を作成している身としては
「いったいどのような参考書が今は
日本で出回っているのか?」ということを
研究するために購入した本の中の1冊。
中学3年間の英語を271ページで完結させるといったもの
(「解説&例:223ページ」+「問題&解答:48ページ」
=271ページ)。
各文法の解説は、基本的に1ページ。
例文は、5~7文書かれており、絵がたくさん描かれているので、
とっつきやすくシンプルにまとめたといった印象がありますね。
最後に足されている問題集は、解説のところで紹介した
5~7つある例文のうち、
2問を「並べ替え」や「穴埋め」の問題にした形となっていました。
これが大まかな内容なのですが・・・う~ん・・・
正直、なぜこれがAmazonの
「中学教科書・参考書>英語」で上位にランクするのか
全く理解できないです。また、カスタマーレビューで
☆5つのコメントがかなり多いというのも謎です
(私の考え方がおかしいだけ?)。
まあ、私もあまり偉そうなことは言えませんが、
とりあえず思ったことを率直に書いていこうと思います。
まず構成について。文法の説明が
1ページに例文が5~7つのみ。少なすぎませんか?
そして、問題集に載っている問題は
例文から取ってきている2問だけ・・・
これは明らかに手抜きでしょう。
アウトプットが2問だけ(しかも例文と同じ)で
英語がマスターできるわけがありません。
その程度でマスターできるのであれば、
中学で3年間もかけて英語を勉強すること
自体間違っているでしょう。しかも、「対象:4-8歳」って・・・
これは天才の子供向けの本か?!
もう意味が分からないですね・・・
(もっともこの“対象”は間違いだと思いますが(笑))
また本の「はじめに」のところもツッコみどころが・・・
==========================
1. この本は“表現力と読解力をつけるための文法”という
観点を徹底してつくってあります。
==========================
例文が5~7文しか載っていないのに、
どうやったら読解力が身につくのですか?
しかも長文でもないのに(全てつながりのないバラバラの文)。
長文も読まないで読解力身につくようなら苦労はしないでしょう。
そしてこれが“徹底して作った”結果なのですか?
=======================
2. 英語という言葉を“生きているもの”としてとらえ、
それを“どう育てていったら”ゆたかな表現力と
読解力がみにつくようになるか
ーこのような観点でつくってあります。
=======================
例文が5~7文で“ゆたかな表現力”と“読解力”が身につく
・・・わけがないでしょう。英語という言葉を
“死んでいるもの”としてとらえて作ったという方が
納得できますかね~。
このような感じなので、英語が苦手な方には
この本はあまりお勧めできないというのが私の正直な意見です。
最近は「○○をたったの△△時間でマスターする本」
といった類いの「魔法のような本」が巷には溢れていますが、
この本もそれに近いものがある気がします。
中高生であれ、社会人であれ
そもそもこういう参考書を買って英語の勉強をする方というのは
基本的に「英語が苦手な方たち」でしょう。
そうでなければもっと難しい文法書や
問題集を購入しているはずですから。
それなのにも関わらず、これだけ手抜きの本というのは・・・
しかも、これが中学英語の参考書の売れ行きランキングの
トップの方に入ってくるとは・・・う~ん・・・
この本は「これだけ英語の参考書が日本で出回っているのに、
なぜ日本人はいつまでたっても
英語の苦手意識がなくならないのか?」
といった疑問を少し説明してくれた気がします。
まあ違った見方として「英語がある程度できて、
中学英語をざっと復習するための本」としては
悪くない本なのかもしれません。
また、1度見れば頭に入ってしまう、
4ー8歳の天才児向けの本としては
良い本だと思います(笑)
そういう意味で★2つです。