【書評】中学3年間の英語を10時間で復習する本(稲田一)
≪内容(Amazon より)≫
ライブ講義形式で素朴な疑問点を、中学レベルの視点でやさしく解説。中学英語の文法の基礎を10の単元に分け、各単元を1時間で学べるように構成。
出版社からのコメント
英語の基本、「中学英語」を3年間分、10時間で学習できるようポイントを凝縮! 英語が苦手なゆりさんとやさしい先生が繰り広げる10時間の英語レッスンを読めば、みるみるうちに忘れていた英語の力が蘇ってくる。 やさしい語り口ですすむ稲田先生のレッスンで好評を博した同書が、オールカラーになって新登場しました。 ●オールカラーで、構文や文法項目の重要ポイントがビジュアルでよりわかりやすく! ●巻末付録として、「復習ドリル」「文法早わかりインデックス」を増強! 問題演習を通じて理解度を確認したり、苦手文法項目を探す索引として活用できます。 本書で中学英語をマスターすれば、英会話もグンとレベルアップします。
【著者紹介(東洋経済オンラインより)】
1948年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。
大手電機メーカーの人事・総務部勤務後、(専)通訳ガイド養成所を経て、翻訳・塾講師・家庭教師などの仕事に従事。
受験界に身を転じてからは、「志望校の徹底分析に基づく効率的学習」を柱とする独自の学習法を確立。その理論に裏付けられた指導法により、多くの受験生を合格へと導く。還暦を機に、海外各国を歴訪。今後も視野を一層広げるため、訪問国を増やしていく予定。「稲田式 やりなおし英語」と好評を博している「中学3年間の英語」シリーズは累計100万部突破。2012年には大手書店チェーンの年間ベストセラー語学書1位を獲得したロング&ベストセラーシリーズとなっている。
≪藤井の評価≫
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3/10)
【評価の理由】
≪良い点≫
【評価の詳細】
大人気ということで、こちらの本を購入してみたのですが・・・
う~ん・・・「中学英語を10時間で復習できる本なら、
どういう方法で復習するのか?」と期待して
読んでみたのですが・・・これは「内容の復習」ではなく
「どんな単元をやったかの確認」といったイメージでした。
この本の良い点は、本自体が薄いので
「お?これなら、できるかも」と
やる気を失わせずに終わらせられそうなところと
「会話形式なのでポンポン進む」という2点ですかね。
しかし、それが逆に、
本の内容を薄くさせている印象がありました。
またタイトルにも使われております
「中学英語の復習」という言葉。
う~ん・・・これは、定義の問題かもしれませんが、
私が「中学英語の復習」という言葉を使う場合、
中学英語の復習
=中学で学んだ英語を勉強しなおし
しっかり習得する
という意味で使います。「習得」するということを含めなければ
「中学英語でどんなことを学んだのかのチェック」です。
少なくても私はそうだと思っています。
もし、可能なのであれば、中学・高校の教科書を
読めば習得できるのですから、
そもそもこのような本は必要ありません。
では、どうしたら習得できるのか?それは、
説明を読んだ後に習得できるまで、
しっかりアウトプット(練習)をすること
です。この本にも確かに練習問題が掲載されています。
しかし、1つの章に10~15問程度。
合計10章なので、100~150問程度。
最後に復習ドリルがついていますので
合計200問程度ですかね。しかも、
ほとんどが選択問題や穴埋め問題。英作文はゼロ(?)。
つまり、
この本は、中学3年間の英語をたったの200問で復習できる。しかも選択問題・穴埋め問題だけで。
と、謳っているということになります。
う~ん・・・無理でしょう(苦笑)
そもそも、10時間はやはり短すぎると思います。
そして、この本の表紙の
中学英語をマスターすれば英会話もスラスラ話せる!
これも、「いったい何をもってスラスラ話せる」なのか
ちょっと不明です。仮に
スラスラ話せる=
自分の言いたいことがほとんどいう事ができ、
会話を楽しんだり、相手を楽しませたりすることができる
だったとした場合、
この本だけでそれができるようになるかは不可能
でしょう。なぜなら、
当然のことながら、中学の英文法ができるだけでは
英語を「スラスラ話せる」ようにはならないから
確かに、こちらの本では中学3年間で学ぶ英文法だけでなく
本当に「ミニ」(たまに登場する1ページ弱の内容)。
また、付属のCDもありますが、
別にシャドーイング・オーバーラッピングといった練習が
あるわけではなく「日本語の文」が流れ「英語の文」が流れる
といった内容です。そのため、
「この本のおかげで会話力が飛躍的にあがった」
なんてことはありえないでしょう。
正直、この本の「英会話もスラスラ話せる!」は「嘘!」・・・
とは言いませんが、
「かなり言い過ぎ。本を買わせるための一言」だと
私は思ってしまいます。