ネガティブなお話ばかりで申し訳ないのですが、

昨日「いじめ」と「自殺」についての記事を
いろいろと調べていましたら、日本の自殺について
様々な記事を見つけましたので、ここで紹介します。
 
まず、ご覧いただきたいのが、厚生労働省が出している
こちらの「自殺者数の推移」のデータ。
 
自殺者数の推移
 
これは、ニュースでもよく取り上げられますね。
このデータを見ますと、
 
平成21年(2009)から自殺者が急激に下がっている
 
というのが分かると思います。これは、なぜか?
いくつか理由があると考えられていますが、
ざっくりまとめますと。
 
①自殺者が一番多いのは、60歳以上の方
②自殺の理由(高い順に)
   1. 健康問題
  2. 経済・生活問題
  3. 家庭問題
③自殺が減ったと考えられる理由
  1. 医療の発展や相談体制の充実
  2. 失業率の低下
 
とされています。私としては意外だったのが、
自殺者が一番多いのが「60歳以上の方」というところ。
なんと、
 
「60歳~」の自殺は、次位の「40~49歳」の倍以上
 
でした。
年齢階級別の自殺者数推移
nippon.comより)
 
そして、それに伴ってだと思いますが、
 
自殺の理由の1位は「健康問題」
(次位の「経済・生活問題」の3倍近く)
 
でした。
原因・動機別の自殺者数の推移
nippon.comより)
 
厚生労働省の出している「自殺対策白書」の
第2章「自殺の状況をめぐる分析」のp.63によりますと
自殺者の低下の理由として
 
(「うつ病」や「身体の病気」の)患者に対する
医療の進歩や相談体制の充実が
寄与している可能性が示唆されている
 
と書かれています。
また、自殺の理由2位の「経済・生活問題」
に関しては、2009年以降の
「自殺者数の推移」と「完全失業率」のデータを
見比べていきますと・・・
 
自殺者数の推移・赤枠
 
失業率の推移
(出典元はこちら
こちらを考えますと、
 
日本の「失業率」が下がったから「自殺率」も下がった
 
と考えることができるかと思います。
 
しかし、
 
自殺者数が減ってきているとはいえ、
あまり楽観視はできない
 
というのが私の意見です。
2017年3月に公表された日本財団による
 
①4人に1人が「本気で自殺を考えたことがある」
②自殺未遂経験者は全国で53万人越
③5人に1人が身近な人を自殺で亡くしている
 
調査結果10のファクト
 
ということが書かれていました。
また、現在日本の自殺者は、約2万1000人と決して
低い数ではありません。
Wikipediaによりますと(元データは「世界保健機関」だそうです)
日本の自殺者数は、世界18位だそうです。
改善されてきているとはいえ、まだまだでしょう。
 
また、興味深いことに

 

現在の日本では「自殺者数」は減っても
「変死者数」は増えているというお話もあります。
日刊ゲンダイより)
 
詳しい「変死者数」のデータは見つけられなかったのですが
警察庁のこちらのデータによりますと
 
死体取扱総数の推移
 
こちらの「変死体」や「犯罪死体・変死体以外」が、
17万件あるため
 

本当は「自殺」なんだけど、

はっきりした死因が特定できないことを理由に
「変死」「犯罪・変死体以外」として扱っているため、
実際のところ、自殺者はあまり減っていない
 
と主張される方もいらっしゃるみたいです。
う~ん・・・こうなりますと
何を信じたら良いのかが分からなくなります。
 
ただし、1つ言えることは
 
まだまだ日本は自殺者が多い。
そのため、自殺者を減らすために我々は何ができるか
考える必要がある
 
ということです。よく「日本は少子化で人口が減少している」
ということを理由に「移民政策」など、
様々な対策を考えていますが
 
「50歳未満」の方の自殺者が
毎年約1万人いるのだから、この数を減らすことの方が、
移民政策なんかより、よっぽど日本社会のためになる
 
と考えるのは私だけでしょうか?
もしかしますと、50歳未満の自殺者の多くは
「働き手」になる見込みが薄い方々なのかもしれませんが、
それでも「日本社会の健全化」ということを考えると
 
政府は、「自殺者数を減らす」という観点からも
経済政策を考えてもらいたい
 
と考えてしまいます。もしかしますと、もうすでに
取り組まれているのかもしれませんが、
もしそうなので、あれば、もっとメディアは報道し、
「身近な方で死をほのめかすような人がいる場合は、
こういう対策をしてください」みたいな
自殺対策をみんなで考えていきたいと思いますね。
 
(ネガティブなことを調べすぎて、ちょっと気持ちが
落ち込んでしまいました。こういうのは、あまりよくないですね。
次回は、もっと明るい記事を書きたいと思います)