全国の国公私立大の入試問題と解答が

「原則公表」という方向で今は動いているみたいですね。

 

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【入試問題の掲載「著作権処理」委託費に100万円】

(Yahoo newsより)

<最初の段落>

文部科学省が6月、全国の国公私立大に対し、入試問題と解答を「原則公表」とする方針を通知した。透明性を高め、出題ミスなどの早期発見につなげるのが狙いだ。「一つの解答を示すのは難しい問題が多い」などとして非公表としてきた大学も来春入試での公表に向け、検討を進めている。

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これは、興味深いニュースですね。

「英語の試験」について言えば、

 

「和訳」と「英作文」の模範解答を提示しないといけないのは

正直辛いのではないか?

 

と思います。これは、世の中に出回っている英語問題集の

「和訳」や「英作文」の解答を見ればわかる通り、

答え合わせをすると「え?これが答えなの?」

というのがちょこちょこ出てくるからです。

例えば

 

【和訳】

「え?この和訳が正解?

著者が含めたいと思われるこのニュアンスが抜けているけど

これで正解なの?」

 

【英作文】

「この英作文でいいの?な~んだ、もっと複雑なのを考えてた」 

 

といった感じです。

 

もっとも、これらは参考書レベルなので「まあ仕方ないか~」

といった具合に、大事にはならないと思うのですが

 

これが、入試だったら・・・

 

と考えると、考えただけでもゾッとします。

今の段階で公表をしなくてはいけないのは
「問題と解答」だけですが、
今後「配点まで載せろ」とかなるかもしれませんね。

そしたら、「和訳」「英作文」の問題は

入試から消えることとなるでしょう。

 

しかし、この記事のミソは

 

原則公表

 

というところだと思います。

つまり、英語の「和訳」「英作文」に関しては

「非公表」とすることも可能ということです。

その方がいいだろうな・・・そうでないと

「選択問題」「並べ替え問題」といった、

「1つしか答えがない問題」ばかりになってしまう気がします。

それは、それで問題ありですから・・・。

 

しかし、私が今回注目しているのはここではなく、

「入試問題&解答の公表」の主な目的についてです。

主な目的は「試験ミスの早期発見」と

記事には書かれているのですが・・・

 

目的はそれだけではないでは?

 

というのが私の意見です。

私は、この「入試問題&解答の公表」には

別の目的として

 

第三者による、試験の妥当性の検証

 

もあると考えています。

例えば、現在話題になっている東京医科大の裏口入学問題。

「合格優遇リスト」というものまであり、

今まで裏口入学で東京医科大に進学したのは

1人だけではないということが判明しました。

そのため、私はこちらのブログで、

 

東京医科大に裏口入学で入った学生が

ちゃんと医者として働けているのであれば

入試自体に妥当性がないのではないか?

 

ということを指摘しました。

現在は、この裏口入学リストに載っていた学生の

「入試の結果」「授業の成績」「大学での活動」の

調査が行われていることでしょう。

そしていずれ「入試の結果」と

「大学での評価・卒業後の進路」を照らし合わせて

「入試の妥当性」が検討されると思います。

 

(私が思うに)今回の事件で「今後の検討事項」として

浮かんだのが「入試の妥当性」について。

これは全大学で行う必要があるのですが、

妥当性を評価するのは非常に難しい。

まず何より専門知識が必要となります。

また、どのように妥当性をチェックすればよいのかもわからない。

そのため、文科省で調査するのであれば、

かなり大変な作業になるでしょう・・・

そこで、文科省は

 

入試の妥当性の検証を全国民に手伝ってもらおう。

そして、文科省が無駄なお金やマンパワーをかけずに

大学自身で「入試の改善」をしてもらおう

 

と考えたのだと思います。

最近はインターネットで何でも拡散できる時代です。

もし「不適切な問題」があれば、誰かが指摘するでしょう。

チェックするのは以下のような方々です。

 

①受験指導をプロとしている予備校の先生

②ある程度専門知識のある受験生

③別の大学の教員

 

例えば、医学部志望の受験生が、

とある医学部の過去問と解答例を見て

「何でこんな問題が医学部の入試に入っているの?」

とツイッターで上がり、拡散されれば、

すぐに①~③による問題検証が始まります。

そのため、大学側も下手な問題は作成できなくなり、

文科省としては「お金」や「マンパワー」をかけずに、

「大学の入試改善」を行うことができます。

 

え?藤井は、考えすぎ?まあ、その可能性も否めないですね~。

陰謀論とかけっこう好きなので(笑)

しかし、「今まで公にする必要のなかった入試問題が

世界中誰でも見れるようになる」というのは、

大学側としては、かなりのプレッシャーになると思います。

問題は

 

原則公表

 

の「原則」がどこまで適用されるのか・・・。

「原則」が全く適用されず

今までと全く変わらない・・・ということもありえそうです(笑)