どうも~。藤井です。

つい先日、文科省の局長が受託収賄容疑で逮捕されました。

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【簡単な概容】

文部科学省の局長が、私立大学の支援事業をめぐって

東京医科大学に便宜を図る見返りに、

受験した自分の子どもを不正に合格させたとして

受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

 

受託収賄の疑いで逮捕されたのは

文部科学省科学技術・学術政策局長の

佐野太容疑者(58)で、

東京地検特捜部は東京 霞が関の文部科学省を捜索しました。

東京 港区の会社役員、谷口浩司容疑者(47)も

収賄のほう助の疑いで逮捕されました。

特捜部の調べによりますと、

佐野局長は文部科学省の官房長だった去年5月、

私立大学の支援事業をめぐって、

東京 新宿区にある東京医科大学に便宜を図る見返りに、

ことし2月、東京医科大学を受験した自分の子どもを

不正に合格させたとして受託収賄の疑いが持たれています。

佐野局長は谷口役員を通じて

東京医科大学の関係者と知り合い、

この関係者から文部科学省が特色ある研究に対して

費用を支援する「私立大学研究ブランディング事業」の対象校に

東京医科大学が選定されるよう要請されていたということです。

そして選定に便宜を図る見返りとして、

佐野局長の子どもの入学試験の点数が

この関係者らの裁量で加算された疑いがあるということで、

特捜部は点数の加算などが賄賂にあたると判断しました。

NHKニュースより)

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インターネット上では「裏口入学?中国か!?」

「ベタすぎる。昭和か!?」といった

ツッコッミがあがっているそうです。

 

国の行政機関がこのようなことをするとは・・・

もっとも、「財務省の決算文書改ざん問題」からもわかる通り

いくら国の機関とはいえ、ある程度の大きさになれば

全員が善人ではないのは当たり前。

現実的に、こういった不正はちらほら出てきても

おかしくはないと思うのですが・・・

 

しかし、文科省と言えば、日本の教育を司る

といっても過言ではない日本の行政機関。

そのような機関の局長レベルの人が

「教育なんて無意味(権力が全て)」と言わんばかりの

行動をとったのは非常に残念です。

 

また文科省の局長が

「良い大学に入学させることが子供の幸せ」と

未だにそんなことを思っていたという点にも、

正直失望させられましたね。

 

現在「大学生から社会人になる過程」において

問題になっているのは

「大学を卒業しても、社会で通用する一人前の

知識やスキルを持っていない人がたくさんいる」ということ。

 

これは「大学に入るまでが大変で、

大学に入ってからはあまり勉強する必要がない」という

日本の大学の特徴があったためでしょう。

それこそ「アカデミックな知識が入学の際にある程度あればOK」

という考えが蔓延していたからでしょう。

前のブログでもお話させていただきましたが、

 

一人前の社会人になるためには

アカデミックな知識以外にも身につけないといけない

スキルは山のようにあります。

 

そのため、現在教育改善がされてきているのにも関わらず、

この改善を率先して行うべき組織である文科省の局長が

「大学に入れてしまえばOK」

という考えをしていたというのは、何とも・・・

 

また、別の視点から。

今回この問題が発覚したのは

どうやら大学内部からのリークだったそうですね。

今回の裏口入学は「採点の際の点数の水増し」によるものと

なっておりますので、これを考えると

「入試の採点に関わった者による告発」としか

考えられないそうです。では、なぜリークをしたのか?それは

 

大学内部で紛争があったから

 

と言われています。どうやら大学執行部のやり方が

気に入らなかったのでしょう。実際、今回この事件が

明るみに出たことで、理事長と学長が辞任しています。

朝日デジタルより)

 

仮にこれが、真実だとした場合、

「子供を教育する場」であるはずの大学で

「大人は汚い」と言わんばかりの

政治的なものがいろいろと出てくるのは悲しいですね。

しかし、覚えておいてもらいたいのは

 

今回の事件の一番の被害者は

「東京医科大学に通う学生さんたち」であること

 

です。このような不正があり、「平等ではない」と

憤りを覚える学生だけでなく、東京医科大学に通うというだけで

「あの文科省の局長の子供が不正に入ったところでしょ?」と

最低でもしばらくの間は

ネガティブな印象が常に付きまとってしまいます。

日大の悪質タックル事件同様、入学希望者も

激減する可能性もあります。(zakzakより)

また、今回のことで、しばらくの間は

大学内での教育にも何かしらの影響が及ぶでしょう。

 

このように「教育が主に行われるべきはずの大学で、

大人のエゴによって教育の現場が踏みにじられている」

というのは、学生さんがあまりにもかわいそうです。

本当に学生のことを考えているのであれば、

「裏口入学」も「内紛」も起きなかったはずなのに・・・

 

以前、某大学に勤務していた際、

ある学生さんから以下のようなことを言われたことがあります。

 

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この大学には私たちのことを本気で考えてくれている先生が

本当に少ない。授業も退屈だし、先生は自慢ばかりだし。

「誰もあんたが書いた論文の数とか気にしていないから!」

って思う。多くの学生がサークルやバイトに

打ち込んでしまうのは、そういうところにも

原因があるんじゃないかな?それなのに

「学生は勉強しない」って学生ばかりせめるのはどうかと思う。

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これを言われた時は、何も反論できなかったですね・・・。

 

私も、そんな大学に属する一人の教員。

学生にはそのようなことを言われないよう、

毎日頑張っていきたいです。

 

理想論なのは、十分承知ですが、やはり教員の方々には

 

「プライド」「権力」「名声」「肩書」などの前に

生徒・学生のことを出来る限り最初に考えてもらいたい

 

と思いますね。教員も人間なので、

いつもそういうことができるとは思いませんが

心に留めておくだけでも違うと思います。